Japanese
English
綜説
中間型症候群,その考え方と今後
Intermediate Types of Coronary Heart Disease
細田 瑳一
1
Saichi Hosoda
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所内科
1Tokyo Women's Medical College, Heart Institute Japan
pp.203-218
発行日 1971年3月15日
Published Date 1971/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202242
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はじめに
W.H.O. technical report series 231 (1962)79)では,虚血性(冠動脈性)心疾患を,1)労作狭心症(anginaof effort),2)心筋梗塞(急性および陳旧性),3)中間型(intermediate types),4)胸痛を伴わない虚血性心疾患の4群に分類している。中間型については,その内容が雑多であり,労作狭心症よりは重症なものが多く,例えば安静時狭心症や狭心発作の持続の長いものが含まれるが,心筋組織壊死の症状を欠き,心筋梗塞とは区別されるもので,現在のところ,それ以上の分類や定義はできないと述べている。すなわちここで規定された中間型は文字通り,労作狭心症と心筋梗塞の中間にある種々の疾患群をさしている。この基準は,労作狭心症と心筋梗塞の診断基準から外れた種々の病態を包括するので,診断をつけることは比較的容易であり,却って安易に用いられるようになってきているが,実際には,原発性心筋疾患(primary myocardial disease)などと同様に,かなり病態の性質,重症度および心筋障害の分布等の異質なものが含まれ,この診断名をつけられただけでは,病像を知ることができない。
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