Japanese
English
Bedside Teaching
急性一酸化炭素中毒
Carbon Monoxide Poisoning
岩 喬
1
,
狩野 一臣
1
,
長尾 恒
1
Takashi Iwa
1
,
Kazuomi Karino
1
,
Hisashi Nagao
1
1札幌医科大学胸部外科学教室
1Department of Thoracic and Cardiovascular Surgery, Sapporo Medical College
pp.1007-1012
発行日 1970年11月15日
Published Date 1970/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202207
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はじめに
ものが燃焼するときに発生するガスの有毒作用は古代から知られており,ギリシャ,ローマでは死刑執行や自殺に使われた記録が残っている。しかしそのガスの本態,作用については長い間不明のままであったが,1870年に至って,Claude Bernardにより解明された。すなわち彼は実験的にCOとHbの強い親和性のために,酸素の組織への移行障害が起きるとした。さらにHal—dane (1895)は,COとO2の分圧によりHbCOは血中で平衡状態にあること,HbCOが血中に存在するとHbO2の解離曲線が左方に移動することを発見した。
一旦COの作用機序が解明されると,この問題の研究は著しく発展し,生化学,病態生理,病理,産業衛生の分野において,多数の報告が発表されている。さらに最近治療法として高圧酸素療法が著効あることから,その分野の医学的興味も高まった。
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