Japanese
English
症例
腹部内臓逆位を伴う左心症—とくに刺激生成異常について
Levocardia with Abdominal Situs Inversus:with Special Reference to Ectopic Pacemaker
門間 和夫
1
,
大島 正浩
1
,
阿波 彰一
1
,
中村 了正
1
,
松尾 準雄
1
,
大国 真彦
1
Kazuo Momma
1
,
Masahiro Oshima
1
,
Shoichi Awa
1
,
Ryosei Nakamura
1
,
Norio Matsuo
1
,
Masahiko Okuni
1
1東京大学医学部小児科
1Department of Pediatrics, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.609-618
発行日 1968年7月15日
Published Date 1968/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201922
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
緒言
腹部内臓の全逆位または部分的逆位があり,心臓が正常の位置にある(左胸廓内にあり心尖部が左前方を向いている)左心症(levocardia)1)〜3)53)は,その逆である右心症ほど知られてはいないが,さして稀な奇形ではない。本症はチアノーゼを伴う先天性心疾患の約2%にみられ7),非チアノーゼ性心疾患ではきわめて稀である。1952年以来,われわれは東京大学小児科において9例の本症を観察し,一部は既に発表した5)〜7)。これら9例は全例きわめて複雑な心奇形を合併しており,また剖検例5例においては脾臓の形成異常,腹部内臓および肺の形成異常を高率に合併していることが確かめられた。この論文では最近経験した症例について報告し,さらに,これら9例の臨床像,心奇形およびその他の内臓の形成異常について,また,とくに本症にきわめて高率にみとめられる刺激生成異常について報告した。併せて文献的考察を行ないたいと思う。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.