Japanese
English
原著
左冠動脈肺動脈起始症の血行動態—実験的研究
Experimental Studies Concerning the Blood Flow Direction in Anomalous Left Coronary Artery Arising from Pulmonary Artery
横山 正義
1
,
乃木 道男
1
Masayoshi Yokoyama
1
,
Michio Nogi
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所
1Heart Institute, Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.75-78
発行日 1972年1月15日
Published Date 1972/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202347
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左冠動脈が大動脈からでなく肺動脈からでているという左冠動脈肺動脈起始症は,まれな疾患とされていたが,最近多くの症例が報告されるようになってきている1)〜10)。
しかし,治療面から本奇形をみなおすと,なお解決されていない点が残っている。その一つは,異常冠動脈内の血流方向についてである11)12)。多数例において,異常冠動脈内の血流方向は,逆行性すなわち心臓側から肺動脈へとむかっている。しかし,なお,異常冠動脈内の血流が肺動脈から冠動脈(心臓側)へとむかっている例も報告されている。この血流方向は肺動脈と冠動脈との間の圧のバランスによって決定されるものと一般には考えられているが,その理論的うらづけは現在なおなされていない。
The similar malformation as anomalous origin of left coronary artery from pulmonary artery was created in the experimental dogs. In chronic stage, the blood flow direction was from coronary to pulmonary side without exceptions.
The peripheral coronary artery pressure is significantly higher than the pulmonary artery pressure.
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