Japanese
English
Bedside Teaching
神経・筋疾患における息切れ
Dyspnea in Neuromuscular Diseases
藤本 淳
1
,
外村 舜治
1
,
木村 謙太郎
1
,
原 弘道
1
,
宝来 威
1
Kiyoshi Fujimoto
1
,
Shunji Tonomura
1
,
Kentaro Kimura
1
,
Hiromichi Hara
1
,
Takeshi Horai
1
1大阪府立成人病センター
1Center for Adult Diseases, Osaka
pp.719-722
発行日 1970年8月15日
Published Date 1970/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202179
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Ⅰ.主訴としての息切れ
患者の主訴を検討してみると炎症に関連して出現する発熱・疼痛・腫張・機能障害や,五感臓器に関連している視力障害・聴力障害というような単純な要素のものと,全身倦怠感・食思不振・息切れ等のように複雑な要素のくみ合わせから構成されているものに分類することができる。患者の主訴はこれらのものが組み合って表現されていることが通例である。問診のポイントはこれらの要素を分析して,より客観的なものとして記述しておくことである。したがって患者の表現と問診者の解釈とが記載されていることが好ましいといえる。このことは患者の訴えている状態がそのまま疾病の状態を示していないことがあるからである。今回の症例も神経筋の疾患であるが,同時に息切れを訴えていた。この息切れについての充分な検討が行なわれていなかったものである。
息切れ(呼吸困難)は主体としては呼吸機能に関連あるが,ガス交換の入口としての肺機能のみでは適正に表現されない場合があることは周知のことである。したがって主訴として表現されるときには主観的な因子が混在していると説明しなければならなくなる。しかし息切れを訴える患者については総合的な肺機能検査を行なってその状態を把握しておくことが大切である。
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