Bedside Teaching
Hyperventilation Syndrome
三藤 信
1
Makoto Mitsufuji
1
1慶応大学医学部内科学教室
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.161-165
発行日 1970年2月15日
Published Date 1970/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202120
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はじめに
1937年,Kerrら12)は過剰換気を伴いテタニー,心臓血管症状,呼吸症状,胃腸症状などを認めた症例に注目し,これらの症状は心因性の原因によるものが多いことを指摘した。過剰換気にもとづく症候群についてはその後Engelら5),Rice22),Lewis14)をはじめ多くの報告がみられる。
本邦においては,1953年池見11)がはじめて本症候群の4例を神経性呼吸困難として報告したが,過換気症候群24),過呼吸症候群1),過剰換気症候群28)などとよばれている。
本症候群は日常の臨床でかなりの頻度にみられることが諸家により指摘されているが,その診断基盤も必ずしも定まっているとはいえない。またその多彩な症状にたいする生理学的機序についてもその多くは明らかでなく,本症候群と神経循環無力症,ヒステリーなどの辺縁疾患との鑑別も必ずしも容易ではないが,ここでは本症候群について主に臨床的,生理学的な立場から述べてみたい。
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