Japanese
English
Bedside Teaching
ショックと血管拡張剤—ショックユニットの考え方
Vasodilators in Shock
出月 康夫
1
Yasuo Idezuki
1
1東京女子医科大学理論外科学教室
1Department of Surgical Sciences, Tokyo Women's Medical College
pp.167-171
発行日 1970年2月15日
Published Date 1970/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202121
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はじめに
shockの本態が末梢微小循環不全であることが明らかにされるとともに,その治療法も輸液,昇圧剤,酸素療法といった古典的な対症療法から,その成因,病態に応じて,末梢循環の改善に主眼をおいて治療を加える必要があることが明らかとなってきた。shockという特殊な生体のstress条件下では,その早期発見により,治療を早期に開始するとと同時に,その治療法が適切であるか否かによって,患者の予後が大きく左右されることは言うまでもない。最近の術後intensitive care unit,coronary care unitなどの発達普及とともに,欧米ではshock unitの必要性が強調され,有力な病院では,常時,shock teamが待機して,shock患者の治療を早期にかつ専門的に行なうとともに,各種臨床shockの病態の解明に大きな成果を挙げていることは,これらの認識に基づくものである。我国の保険医療の現状では,完備したshock unitを備えることは,経済性からいっても,当分はなお実現不可能であろうが,shockunitに応用されているshockの病態把握の方法,およびその治療に対する実際的な考え方は,日常我々が出会う各種shock患者の治療に直ちに利用することができる。shock unitから導びき出された最近のshockの考え方と治療法について簡単に紹介してみたい。
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