Japanese
English
綜説
トリの肺—構造と機能
The Avian Lung:Its Structure and Function
小林 庄一
1
Syôiti Kobayasi
1
1新潟大学医学部第2生理学教室
12nd Department of Physiology, Niigata University School of Medicine
pp.572-582
発行日 1969年7月15日
Published Date 1969/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202043
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はじめに
肺の基本的構造は気道によって体外に連絡する拡縮可能の"ふくろ"である。このふくろに何らかの方法で空気が出入りして,そこに豊富に存在する毛細血管を流れる血液と空気との間でガス交換を行なう。ガス交換面積は肺内面のひだ,隔壁,肺胞などによって拡大されている。トリの肺はこの基本構造から逸脱しているようにみえる。すなわち,トリの肺には他の動物種にみられるような形の肺胞はなく,気管支につづく肺小管(Lungen—pfeifen)あるいはパラ気管支(parabronchus)といわれる外径1〜2mm前後のうねった小管の集まりであるn肺には気嚢(air sacs, Luftsacke)と呼ばれる容量の大きい平滑な嚢が数個連絡している。
本稿ではトリの肺と気?の形態と機能について,いろいろの方向から眺めてみることにする。
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