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綜説
肺の構造・機能解析におけるCTの役割
Role of Computed Tomography in The Analysis of Lung Structure and Function
鈴木 雅
1
Masaru Suzuki
1
1北海道大学大学院医学研究科呼吸器内科学分野
1Division of Respiratory Medicine, Hokkaido University Graduate School of Medicine
pp.786-792
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102541
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はじめに
胸部領域は空気を含む肺,血管,軟部組織,骨組織を含みコントラストがつきやすいため,CTでの評価に適している部位と言える.なかでも高分解能CT(high resolution CT;HRCT)の優れた空間分解能によって,詳細な肺の形態評価が可能となっている.一方で胸部は心拍動や呼吸運動によるモーションアーチファクトを受けやすい部位ではあるが,近年の多列検出器CT(multi detector-row CT;MDCT)の技術進歩により撮像時間は短縮され,また定量解析法の発達もあり,CT画像によって呼吸機能に迫る試みも盛んに行われてきている.さらに肺微細構造の解析を目的として,摘出肺を超高解像度のマイクロCTにて解析した研究も近年報告されている.本稿では,CTによる画像研究が進んできている慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)を中心として近年の研究成果を交えながら,肺の構造・機能解析におけるCTの役割について概説する.
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