Japanese
English
綜説
脳幹部血管運動調節機構の活動とそのニューロン機構
Mechanism and Neuronal Organization of Central Vasomotor Representation in Brain Stem of Cat
武田 龍司
1
,
福原 武彦
1
Ryuji Takeda
1
,
Takehiko Hukuhara
1
1東京大学医学部薬理学教室
1Department of Pharmacology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.365-377
発行日 1969年5月15日
Published Date 1969/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202021
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血管運動の中枢性調節の機序に関する知見は今日なお,十分なものとはいいがたい。神経性ならびに体液性調節の機序を解明するためにも血管運動中枢のニューロン機構を明らかにする必要がある。これまでのいわゆる血管運動中枢に関する研究の大部分は血圧,血流量あるいは末梢における交感神経活動の変動から脳幹における血管運動中枢およびそれを構成するニューロンの活動を推測していたにすぎない5)52)66)。Salmoiraghi (1962)62)の報告以来,脳幹網様体からニューロン活動を導出しニューロン機構に関する研究が始められた。しかし,これらの研究における血管運動性ニューロンの同定法に疑問があり,従来,ニューロン機構を明らかにするための前提となる血管運動性ニューロンの脳幹における分布すら未確定であった。この論述では血管運動中枢のニューロン機構に関する現在までの知児を概観し,今後の問題点を明らかにしてみたい。
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