Japanese
English
特集 循環の神経性調節
循環中枢のニューロン機構
Neuronal Organization of the Circulation Center
三浦 光彦
1
Mitsuhiko Miura
1
1群馬大学医学部生理学
1Dept. of Physiology, School of Med., Gunma Univ.
pp.1067-1075
発行日 1979年10月15日
Published Date 1979/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203442
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過去10年来,循環調節にあずかる中枢神経系の神経回路が詳細かつ多角的に研究されてきた。その第一の特徴は,Brodal (1957),Taber (1961)らによる脳幹網様体の神経核の研究やDahlströmおよびFuxe (1964,1965)らの神経化学物質の研究に基づく用語の使用である。第二の特徴は,ホースラディシュ・パーオキシダーゼ(horseradish peroxidase,略語はHRP)やオートラジオグラフを利用した新技術の一般化である。
Kristensson (1970)に始まるHRP法は神経軸索の起始細胞の同定に使われる。酵素HRPが目標の神経組織に注入されると,その範囲の軸索終末から取り込まれ,軸索流に乗って逆行性に神経細胞体に輸送される。ある時間を置いて,他の神経組織を化学的に処理すると,HRP顆粒が神経細胞内に現像されるのである。一方,Cowanら(1972)に始まるオートラジオグラフ法は軸索およびその終末の同定に使われる。放射能活性物質でラベルされたアミノ酸が目標の神経組織に注入されると,その範囲の神経細胞体から取り込まれ,ラベルされた蛋白質が合成される。
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