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特集 脳のシンポジウム
主題—脳死をめぐつて
脳幹,とくに延髄における自律機能—血管運動中枢の神経機構
Neuronal Organization of Central Vasomotor Mechanisms in the Brain Stem of Cats
福原 武彦
1
,
武田 龍司
1
Takehiko Hukuhara
1
,
Ryuji Takeda
1
1東京大学医学部薬理学教室
1Department of Pharmacology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.75-81
発行日 1970年4月25日
Published Date 1970/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431903103
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脳幹における血管運動調節機構,いわゆる血管運動中枢の局在部位ならびにその神経機構に関し,脳幹横切断実験1,37),局所破壊実験18,21)あるいは電気刺激実験1,3,11,20,28,35)が重ねられてきた。これらの実験成績から下位脳幹一橋下部から延髄の網様体に血管運動調節に必須の神経機構が存在すると考えられている4,22,34)。しかし,これらの実験成績を詳細にみると,多くの不一致点がある。また,上述の諸実験方法のもつ制約から,それぞれの結果の解釈にはおのずから限界のあることはいうまでもない30,34)。
電気刺激実験においては先端直径数十〜百μの刺激電極を用い数Vの電圧を加えた場合に比較的低閾値で大きな血圧変動を起す刺激点が下位脳幹部に多数見出されるという。しかし下位脳幹部に限らず,中脳,視床下部,大脳皮質など中枢神経系の諸部位の電気刺激によつて著明な血圧反応を惹起せしめ得ることが明らかにされている4,15,18,22,24,34)。
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