Japanese
English
綜説
心筋の酸素利用
Oxygen Utilization of Heart Muscle
関 清
1
Kiyoshi Seki
1
1東邦大学医学部第1内科学教室
11st Department of Internal Medicine, School of Medicine, Toho University
pp.271-277
発行日 1969年4月15日
Published Date 1969/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202010
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著者に与えられたテーマは細胞レベルでの心筋の酸素利用である。健常および病的心の代謝,酸素利用を,心筋細胞のエネルギー代謝の生成,利用の面から,ミトコンドリアの酸化的燐酸機構,ATPを利用したactom—yosinの生成反応に及んで眺めることは,大変興味が深いであろう。しかし,心筋の酸素利用を規定する因子の,この面からの検討は未だ十分ではなく,例えは不全心と健常心との差についても結論は得られていず,また不全心の代謝過程も明らかではなく,エネルギー利用系はさらに不明の点が多い。
心筋の酸素利用の規定因子については,かなり古くからの研究があるが,最近の大きな進歩は,既に明らかにされている,骨骼筋についての一般法則に心筋も概ね従うという点であろう。しかし,従来の成績が必ずしも一致していず,Sonnenblickら1)の努力により次第にまとまりをみせるようになった。したがってそれらを中心に解説を加えることにするが,これまで明らかにされた点は心筋の力学的面からが多く,前述の如く細胞レベルのものは少ない。最後に病的状態について触れることにする。
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