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はじめに
換気は,換気「量」やそれに時間の因子が加わった「流速」として測定されるが,換気の基礎となる因子は「圧」である。そしていかなる状態でも,弾性,粘性,慣性,呼吸筋力,および外部より働く力によって生ずる圧の総和は零である7)。
Pst(rs)+Pres(rs)+Pin(rs)+Pmus+Papp=0……(1)
(弾性)(粘性)(慣性)(筋力)(外力)
したがって換気のメカニズムを知るためには換気の表現因子である「量」や「流速」と基礎因子「圧」との関係を総合的に解析する必要がある。本稿では「圧と量」の函数Cおよび「圧と流速」の函数Rをとりあげて,按気のメカニズムを考えてみよう。
Cは単にcomplianceをさすのではない。ここでは,Cは一般的な「圧と量」の函数,すなわち容量capacit—anceを意味する。図1Ⓐのような水槽では水の量(Vc),圧(Pc),断面積(C)との間には(2)式の関係があり,電気的にはcondencer(capacitor)の電気量(qc)と電圧(ec)の関係は(3)式で表わされる(図1Ⓑ)。
C=VC/PC,(L/cmH2O)……(2)
C=qC/eC……(3)
換気のメカニズムにも「圧・量」関係を表わすのにCが応用されcomplianceやcompressibilityがCとして表現される。
Rは抵抗resistanceを意味する。差圧(PR)と流速(VR)の関係は(4)式で表わされ,電気的には電圧(eR)と電流(iR)の関係は(5)式で示される(図1ⒶⒷ)。
R=PR/VR,(cmH20/L/sec)……(4)
R=eR/iR……(5)
したがって換気のメカニズムを,CとRの入った電気的回路に置き換えて考えると,「圧」,「量」,「流速」の3因子を容易に総合的に検討することができる。
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