Japanese
English
綜説
努力性換気力学
Mechanics on Effort Ventilation
冨田 友幸
1
Tomoyuki Tomita
1
1慶応義塾大学医学部内科
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.92-99
発行日 1967年2月15日
Published Date 1967/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201736
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はじめに
換気は普通肺から出入りするガス量で表わされ,またbody plethysmographyによって胸廓の変動量(肺気量の変動量)として把握することもできるが,両者は必ずしも等しくない。しかしどのような見方をするにしても,換気とは呼吸筋の活動や肺および胸廓の変動に伴ったいわば結果であり,肺だけでなく,胸廓やガスの性質など換気に関与するあらゆる因子の力学的関係に支配される。Rohrer (1916)は,換気量と同時に圧を測定することによって換気の力学的解析を試み,弛緩圧量曲線および最大努力性圧量曲線によって呼吸器の圧量関係を示した。
その後とかく換気力学は肺にのみ関心が向けられる傾向があったが,近年再び換気を総合的に把握する必要が認識され,肺のみならず胸廓の力学的因子の解析,さらには呼吸筋の関与についても数々の検討がなされるようになった。このように換気機能を総合的に把握するために,安静換気のみでなく努力性換気を含めたあらゆるpatternの換気について力学的な検討を行なう必要が考えられるようになった。
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