Japanese
English
綜説
肺血管攣縮
Pulmonary Vasoconstriction
長野 準
1,2
,
吉田 稔
2
,
末次 勧
2
Hitoshi Nagano
1,2
,
Minoru Yoshida
2
,
Susumu Suetsugu
2
1国立療養所屋形原病院
2九州大学医学部付属胸部疾患研究所
1National Yakatabaru Hospital
2Research Institute for Diseases of the Chest, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.1031-1039
発行日 1967年12月15日
Published Date 1967/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201847
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はじめに
肺循環は低圧系でしかもその可塑性が大きいために,肺胞内圧,体位による静水力学的圧,transmural pres—sureあるいはその他の力学的条件によって影響を受けやすい。これについてはWest1)の研究をはじめ,近年わが園においても仲田2),吉良3),著者4)らの数多くの業績が発表されて注目を浴びている。しかし生体の機能の合目的性から考える場合,肺循環が単に受動的な力学的機構のみによるとすることはできないのであって,ここにこの綜説"肺血管攣縮"——Pulmonary vasoconst—riction——を論ずる意義があるといえる。
この小文がわが国における肺循環研究をよりいっそう発展させるために,いささかでも役立つとするならば筆者望外の喜びである。しかし浅学のため,現在までの内外の報告をことごとく引用するにいたらなかったと思うので,この点をはじめにおことわりしておく。
肺血管の攣縮を考えるにあたり,まず肺循環系の組織,解剖学的特長と,肺血し管攣縮の生理学的意義を考えてみたい。
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