今月の臨床 妊娠中毒症—新しい視点から
新しい病因・病態論
4.血管攣縮の機序
小林 隆夫
1
1浜松医科大学産婦人科
pp.128-132
発行日 2001年2月10日
Published Date 2001/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904247
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妊娠中毒症は学説の疾患とも言われているように,病因,病態にいまだ混乱のみられる疾患である.最近のわれわれの研究によれば,全身の血管攣縮(vasospasm)による血管抵抗の増大と血管内皮障害こそが高血圧をはじめとする妊娠中毒症諸症状の原因であり,これらの結果血液凝固が亢進し,さらには各臓器に血流障害を来たすものと考えられるようになった1).本稿では,臨床例および動物実験の結果を紹介し,妊娠中毒症の病態,特に血管攣縮機序について解説する.
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