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講座 "環境と呼吸・循環"シリーズ・4
体の耐寒能力
Cold Tolerance in Man
緒方 維弘
1
Korehiro Ogata
1
1熊本大学体質医学研究所生理
1Institute of Constitutional Medicine, Kumamoto University
pp.853-858
発行日 1967年10月15日
Published Date 1967/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201827
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はじめに
動物が寒冷に曝される場合には,その反応は大別して2つの時期を経過する。すなわち,寒冷曝露当初における防衛反応の活発な活動をみるいわゆる興奮期と,ついに身体冷却が生体防衛の限界を越して機能失調を招来するいわゆる麻痺期である。そこで同じく耐寒能力といっても,はげしい寒冷曝露下における生体機能維持能力の限界を意味する場合と,通常の冬季生活をより一層快的に進めうる能力を指す場合とがあるわけである。いずれにもせよ,以上の意味するところは,全身としての寒冷に対抗する能力についてであるが,耐寒能力ということの意味するものの中には,全身性のそれと並んで,局所的な耐抗性,すなわち,凍傷に対するものも含まれる。本稿ではただ前者,すなわち,全身性耐寒能力について述べ,局所性のそれは割愛する。
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