Japanese
English
臨床
強心配糖体によるGynecomastia
The Gynecomastia due to Cardiac Glucosides
渡辺 孝
1
,
生方 茂雄
1
,
奈良 純夫
1
,
柳沼 碧
1
,
岸本 道太
2
Takashi Watanabe
1
,
Shigeo Ubukata
1
,
Sumio Nara
1
,
Midori Yaginuma
1
,
Michita Kishimoto
2
1群馬県成人病研究所
2国立東京第一病院循環器科
1The Research Institute for Chronic Disease of Gunma
2Department of Circulation, The 1st National Hospital of Tokyo
pp.845-850
発行日 1967年10月15日
Published Date 1967/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201826
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はじめに
女子様乳房症はKlinefelter症候群としてのほか,estrogen治療,副腎腫瘍,睾丸腫瘍,甲状腺中毒症,肝硬変,ヂギタリス治療に合併する。その機序の第1は女性ホルモン過剰による。前立腺腫瘍患者のestrogen治療中にしばしば女子様乳房症をきたす事実は周知のとおりであるが,睾丸腫瘍としてchorionepitheliomaや良性腫瘍でもおこる。脊髄損傷患者で尿中17KSの減少と睾丸萎縮をきたし,女子様乳房症を合併した報告もある。肝硬変ではしばしば睾丸萎縮をともなうが,同時に女子様乳房症を合併することがあり,ヴィールス性肝炎で女子様乳房症をきたす場合もある。
第2の機序は脳下垂体の副腎刺激ホルモンの分泌増加をうながし二次性徴に逆効果をもたらすもので,副腎皮質の腫瘍ことに癌や過形成によっておこる。女子様乳房症に止まらず乳汁に似た水様分泌をきたした男性の副腎皮質癌も報告されている。
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