Derm.2006
予知能力?
夏秋 優
1
1兵庫医科大学皮膚科学教室
pp.162
発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100637
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そもそも野生動物には,微妙な気象の変動などを敏感に察知して気候や環境の変化を予想する一種の予知能力が備わっているが,人間の場合,便利な生活に慣れてしまって動物としての予知能力は随分と低下(退化)しているだろう.それでも,急に妙な胸騒ぎがしたり,脈絡もなく思い出したことが,その直後に現実のものとなった場合に,「あれは虫の知らせだったのか」などと言うことがある.おそらくこれは,日々の体験に基づいて養われる一種の「勘」のようなものなのだろう.1回や2回なら誰にでも経験があるのではないかと思うが,私の場合,これが頻発しているような気がするので,もしや自分は超能力者か(!?),とさえ思うことがある.
例えば,最近外来に来られなくなった患者さんをふと思い出して,「あの人はその後どうされているのかな」と気になった翌日に,なぜか久々にその患者さんが外来に現われる,とか,ちょっと経過が気になって次週に来院予定の患者さんのカルテを調べているときに,まさにその人から病状の変化や予約変更に関する電話がかかってくる,といったことがしばしば起こるのである.また,ふと手に取った皮膚科専門雑誌をパラパラと眺めていて,「ふーん,こんな病気があるのか」と感心していると,その翌日にその病気の患者さんが外来に現われてビックリすることもたびたびあった.
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