Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
緒言
横隔膜神経に知覚性線維が含まれていることを最初に記述したのは,Luscka (1862)である。その後,LittleおよびMcSwing (1938)らは,ネコの横隔膜神経の主な部はC5およびC6において脊髄に入り,一部C4において脊髄に入ると述べている。Hinsey, Hare and Phillips (1939)は,ネコの上頸部交感神経節から下胸部に至る交感神経幹を除き,かつ,C2—C8の前根を切って知覚神経以外の線維をことごとく変性させ,横隔膜神経の有髄線維の約10%は知覚を司ることを観察している。
横隔膜神経についての機能方面の研究としては,Sch—reiber (1883)はイヌの横隔膜神経を切断してその中枢端を刺激して,血圧の上昇をみとめ,その後,多くの刺激実験を重ね,主として循環系への影響をみている。すなわち,血圧,冠循環,末梢血管抵抗,心拍数などの変化についてはかなり詳細に記述しているが,呼吸の変化についてはほとんど記載していない。Malschin(1930)は,横隔膜神経を切断し,その中枢端を刺激すると血圧の変動のほかに呼吸が速く,かつ,深くなることを記述し,Thornton (1937)は,肺灌流実験において横隔膜神経中枢端刺激によって気管支が拡張し,迷走神経切断によってその反応が消失するので,気管支支配において前者は求心性,後者は遠心性反射弓を形成するものと考えた。
The authors have attempted to record the afferent potential through the phrenic nerve.
In the normal animals, the afferent impulse through the phrenic nerve was not recognized in 11 of 13 cases. In other 2 cases, the afferent impulse was slightly seen corres-ponding to the inspiratory phase, after all the phrenic roots were out down. In any event, the afferent impulse seems to fail to be recorded in the normal respiratory move-ment, while it is recognized only in the case of abnormal respiratory exertion, the abnor-mal excitation of the diaphragm.
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.