Japanese
English
綜説
侵襲学よりみたショック
Shock from Agressologie
岡田 和夫
1
,
吉竹 毅
2
Kazuo Okada
1
,
Tsuyoshi Yoshitake
2
1東京大学医学部麻酔科
2東京大学医学部胸部外科
1Department of Anesthesiology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2Department of Thoracic Surgery, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.636-645
発行日 1967年8月15日
Published Date 1967/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201798
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はじめに
近年,ショックに関するreviewは数多く,何冊かのすぐれた成書,Symposium報告があり,かつ外科,麻酔関係をはじめ基礎分野のjournalでも循環,呼吸,代謝の各面からの幾多のレポートが報告されている。この中で,「侵襲学から」と形容詞をつけたショックの問題を書くよう依頼された。そこで「侵襲学」(agresso—logie)なる名称を唱え,「Agressologie」なるinterna—tionalな雑誌をフランス麻酔学会会誌の編集から手を引いて主催しているLaboritのことが当然頭に浮かんでくる。筆者にはこれを紹介することにこの論文を依頼した編集者の意図があるように思われる。Laboritの生い立ちから考えてみて,"going my way"の歩みを国内,国外で続ける彼の考えを「ショック」に関して紹介するのは有意義だと思われる。Laborit自身はアングロサクソンその他ヨーロッパの論文を幅広く読み文献として引用しているのに,アメリカ,イギリス系の論文にはほとんど引用されてないという事実,しかるにショックの治療,その成立の病態生理の解釈に(たとえばクロールプロマジンの使用,ショックでの末梢循環の態度の解釈,血管収縮剤の禁忌),むしろLaboritの方がはるか先を予見していたという厳然たる事実は認めざるをえない。
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