呼と循ゼミナール
ショックと網内系機能
岡田 和夫
1
1帝京大学麻酔科
pp.158
発行日 1978年2月15日
Published Date 1978/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203161
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ショックの病態生理の解明は幅広く続けられていて,「重要臓器の急融な灌流不全」と考えることができる。この臓器灌流の低下で腎,消化管,肺,膵,肝などに臓器障害が生じる。肝ではショック時には解毒機能を発揮すべく心拍出量の体内血流分布率を高く保って血流をなんとか維持しようとする努力がみられる。この肝にはKupffer細胞があり網内系機能がここで営まれているがショックではこの系の機能低下もショック進行の一端をになっているのではないかと考えられている。
かなり以前からショックに陥ると早期にこの機能が抑制されるし,あらかじめ網内系をブロックしておいてショックに陥らせるとその進行が速いし,網内系機能を亢進させておいてショックにすると抵抗力が増すこともいわれていた。
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