Japanese
English
講座
心原性ショック
Cardiogenic Shock
吉竹 毅
1
,
松本 博志
1
Tsuyoshi Yoshitake
1
,
Hiroshi Matsumoto
1
1東京大学医学部胸部外科
1Dept. of Thoracic Surgery, Faculty of Med., Univ. of Tokyo
pp.203-211
発行日 1977年3月15日
Published Date 1977/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203019
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
心原性ショックは急激な心臓のポンプ機能低下に由来する急性循環不全による症状群とされることが多く,また,その表現が臨床上便利なため,多少曖昧な点が存在するが,一般にこのような意味で使用されている。急性に心臓のポンプ機能を低下せしめる原因は様々であり,多くの原因があげられているが,通常機能面より,左心室駆出不全型と左心室充実不全型に分類1)され,前者の代表的な疾患は急性心筋梗塞による心原性ショックであり,後者の代表的疾患は急性心臓タンポナーデである。
現在,頻度としても高く,発生した場合,救命が容易でないため,その病態,治療が精力的に進められている対象は急性心筋梗塞によるショックである。急性心筋梗塞症例の15%程度に発生し,現在のような技術的進歩にもかかわらず,なお,その死亡率がほぼ50〜80%2,3)以上というきわめて悪い救命率のため医学的関心が深い原因があげられる。このような状況により,ここでは急性心筋梗塞による心原性ショックを主とし,その他の原因による心原性ショックにも言及し述べてみたいと思う。
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.