装置と方法
あなたはまちがってはいませんか?II―Scholander, Van Slyke
鈴木 清
1
1東京医科歯科大学第二内科
pp.407-409
発行日 1967年5月15日
Published Date 1967/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201773
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はじめに
呼気および吸気ガス,あるいは血液ガスの分析は,肺機能検査のうちでいちばん基本的なことで,この検査が正確にしかも完全に操作されないときは,そのデーターは信頼できないものになる。また完全でない分析結果より種々の因子で計算される指標は,それ以上に大きく誤差が生じることになる。最近の検査法のなかには,物理的または電気的にガスを分析する方法も開発されているが,いまだその分析値は絶対的信頼を得るまでにはなっていない。そのためには,今までの分析法による結果と,新しい方法による結果を比較較正した値を信頼するより,現状ではいたしかたがない。
このような観点より考えて,基本的な呼吸気ガス分析にはScholander微量ガス分析装置が普遍的であり,血液ガス分析には今世紀初頭に開発されたVan Slyke—Neill検圧計によらなければならないようである。これらの方法はいずれも,化学的吸収剤による圧ならびに容積変化からガスのvol%を測定するもので,測定ガスの種類も限定しているが,操作は複雑で,しかも熟練を要するので,正しい操作法の習得には長期間の練習が必要となり,いわゆる,検査のコツを習熟することが大切である。
本稿では,これら検査を行なうにあたって,注意しなければならない点,誤りやすい点を思いつくまま述べてみたい。
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