Japanese
English
ジュニアコース
閉塞性換気障害
Obstructive Impairment of Lung Functions
藤本 淳
1
,
田辺 玄三
1
Kiyoshi Fujimoto
1
,
Genzo Tanabe
1
1大阪府立成人病気センター
1Center for Adult Diseases, Osaka
pp.903-909
発行日 1966年10月15日
Published Date 1966/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201675
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はじめに
肺の基本的機能はガス交換にある。生体現象のエネルギーの賦活剤であるO2を外気よりとり,体組織における代謝の結果生じたCO2を体外へと排出する。このガス交換はテニスコートの2.5倍の広さをもつ肺胞壁を洗う換気ventilationと肺血流perfusionの関係,肺胞膜面におけるガス拡散能(狭義)によって規定されている。
換気のみをとりあげて考えてみるとき,その適否を規定する呼吸生理学的因子は,(1)呼吸筋(横隔膜を含める)と(2)気道の大いさの2つである。とくに後者の変化のための気道内空気の流れに対する抵抗増加による換気障害を閉塞性換気障害と呼んでいる。臨床的には閉塞性換気障害を有する疾患群をobstructive syndromeとして一括しているが1),気管支喘息,気管支炎,慢性閉塞性肺気腫などはこれに属する。これら疾患のように気道狭窄の存在を臨床症状のみによって推知しうるものもあるが,なんら臨床症状なしに呼吸機能検査によりはじめて気道狭窄の存在の発見できるものがあり(respi— ratory impairmentといわれる),閉塞性換気障害の検出にはぜひとも客観的な呼吸機能検査法が必要である。
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