Japanese
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ジュニアコース
ベクトル心電図(1)
Vectorcardiography (1)
森 博愛
1
Hiroyoshi Mori
1
1九州大学中央手術部・心研
1Central Operative Division, Research Institute of Angiocardiology, Kyushu University Medical School
pp.911-917
発行日 1966年10月15日
Published Date 1966/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201676
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はしがき
ベクトル心電図(以下VCG)の基本概念である心電図のベクトル的な考え方の歴史は古い。1913年,Eint— hoven, Fahrおよびde Waart1)は標準肢誘導点は正三角形を作ると考え,心起電力をその中心に一端を有するベクトル(以下ベ)として極座標的に表現した。1914年Williams2)は心起電力を直角座標系を用いて表現する方法を発表し,1920年Mann3)はこの方法を利用し,肢誘導の同時点をつぎつぎにプロットして,3つの標準肢誘導心電図から単一な環を合成できることを発表し,これをmonocardiogramと名付けた。これがVCG前画図の最初のものである。その後ブラウン管を用いて電気的に合成する方法が考案され,1936年Schellong4)5)が前面図,および対角面図から立体鏡的に観察するVektordiagraphieを発表し,わが国では木村(登)6),7)が前面,側面および水平面図から立体的に観察するベクトル心電図法(vectorcardiography)を発表した。VCG法は,本来,心起電力を立体的に観察する方法であるから,Schellong,木村らの研究がVCG研究の嚆矢であるといえる。
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