Japanese
English
装置と方法
反射光電型プレチスモグラフィー—使用上の注意を中心として
Reflection Photoelectric Plethysmography.
高木 健太郎
1
Kentaro Takagi
1
1名古屋大学医学部第1生理学教室
1The 1st Dept. of Physiology, Nagoya University School of Medicine.
pp.49-54
発行日 1966年1月15日
Published Date 1966/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201541
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I.緒言
皮膚の血流状態を観察するには,(1)皮膚顕微鏡による爪床,歯齦などの表在毛細血管の直接観察,(2)熱電堆またはサーミスターの熱容量の小さい鋭敏な温度計による皮膚温の測定1),(3)Henselの熱伝導度電極による測定2),(4)皮膚の容積変化の測定の方法などがある。この内(1)は限られた皮膚または粘膜にしか使用できず,また,ごく表層の血管の観察しかできぬし,量的のことがわからない。しかし一度顕微鏡像を投影してこれを光電的にpick upする方法がある3)4)。動物には適用でき,微細循環の研究には有用な方法である。(3)は電極の形を工夫すれば筋の血流も測定でき,しかも対照実験であらかじめ血流量と熱伝導度との関係を較正しておくと,量的にも血液量を把握し得るというが,血流の方向が必ずしも一定方向でないこと,相当の時間的おくれがあるという欠点があり,その正確度については多くの疑義が持たれている。
(2)は(1)と同様に恐らく主として表層の血管観察に適している。これは周波数特性がわるく,極めて速い変化には追随できない憾みがある。(2)も(3)も皮膚をあらかじめ定められた圧力でおして,ある層の血管を消去した上で用いれば深層の血管状態を,観察できるかも知れない(後述)。(4)にはa)機械的方法,b)電気的インピーダンスの変化による方法5),c)電気容量変化6),d)光の透過度の変化,e)光の反射光量の変化から記録する方法がある。
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