Japanese
English
ジュニアコース
呼気分析
Expiratory Gas Analysis.
山林 一
1
Hajime Yamabayashi
1
1大阪府立成人病センター
1Center for Adult Diseases, Osaka.
pp.379-382
発行日 1965年5月15日
Published Date 1965/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201449
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
呼気ガスの分析は,呼吸生理学の研究の基本であるのみならず,臨床的な肺機能検査においても,きわめて重要な検査項目の一つである。わが国においてはスパイロが普及しているためか,一般に換気機能の検査のみによって呼吸器疾患の病態の全体的な評価をするきらいがある。しかしながら,呼気ガスの分析は動脈血分析とともに,肺胞の機能障害を知る唯一の手段であるので,呼吸機能障害の綜合的な評価には欠かすことのできない重要な検査の一つである。従来ガス分析には主として化学的分析法が用いられ,正確な価を出すためにはかなり技術の熟練を必要とした。しかし最近は次第に物理的なガス分析法が発違し,装置はなお高価ではあるが,操作は比較的簡単でしかも迅速であり,あまり技術を必要としない。物理的分析法の欠点は,精度がやや化学的方法より劣る点にあるが,将来はこうした点も改善され,おそらく後者より一般化する傾向にあり,そうなればガス分析もスパイロ同様日常機能検査の一つとしてきわめて容易な検査法となるであろう。ガス分析の技術そのものについてはすでに多くの優れた解説書があるので,本書では呼気ガス分析の結果どのようなことがわかるかという事を中心として解説してみたいと思う。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.