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文献抄録
3方向バリストカルジオグラフィー—頭足方向,左右方向並びに背腹方向のバリスト波形に及ぼす年令の作用—March, H. W. Circulation,12:869,1955
Three-Plane Ballistocardiography:The Effect of Age on the Longitudinal, Lateral, and Dorsoventral Ballistocardiograms
北田 茂
1
1慶大内科
pp.126
発行日 1959年1月15日
Published Date 1959/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200721
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- Abstract 文献概要
抑臥位の人体につき,頭足方向波形を両下肢から,左右方向・背腹方向波形を胸廓から,電磁型Pickupを使用して心電図II誘導と同時記録した。実験対象はいずれも,健常者で20〜29才の男23名,女15名,50〜75才の男17名,女15名の合計70名である。そしてこれら症例の3方向のバリスト波形を,形状・振幅・時相について検討した。その大要は表に示す如くであり,また,G, H, I, J, Kの各波頂についてその方向を観察することにより,その成因について考察を行つた。波形の主要部分であるIJ脚は頭方向,右方向そして背方向を示し,その波頂は頭足方向に比べて,背腹方向ではやや早く出現するが,左右方向ではやや遅く出現する傾向がある。また,呼気時のIJ脚は一般に背腹方向や左右方向におけるよりも,頭足方向において振幅減少が著明で,特に老人で甚しい。これはBallistic forceのベクトルが,年令と共に頭足方向が減少し,左右方向が大となる傾向を示す(この原因の詳細は不明だが,横隔膜の挙上,心臓軸の横転,大動脈の捩れ,或いはまた,肺動脈と大動脈への血液流入開始時期のズレの変化等が考えられる)ゆえに,老人ではIJ振幅頭足+IJ振幅左右(呼気)×100/IJ振幅頭足+IJ振幅左右(呼気)が60以上の場合は正常と老えるのが合理的である。
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