Japanese
English
原著
血液相よりみた肺気腫の診断基準
Diagnostic Criteria of Pulmonary Emphysema in View of Blood Phase of the Lung.
中村 功
1
,
滝沢 進
1
,
渡辺 隆夫
1
,
松浦 健雄
1
Koh Nakamura
1
,
Susumu Takizawa
1
,
Takao Watanabe
1
,
Takeo Matsuura
1
1慶応大学医学部笹本内科
1Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University.
pp.763-772
発行日 1964年10月15日
Published Date 1964/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201373
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I.肺気腫の診断基準について
肺気腫は胸部疾患の研究ならびに臨床の上できわめて重要な位置を占め,さらに近年は大気汚染の問題とも関連して,ますます重要性を増してきている。しかしながらその病因の複雑さ,臨床症状の——特に合併症による——多様性,あるいは肺機能検査所見の非特異性等のために,まだ確定した臨床的診断基準が得られておらず,このことが肺気腫の研究の発展に一つの大きな障害となつている。
肺気腫の臨床的診断基準を統一しようとする試みは,肺気腫の定義や重症度の分類とも関連し,諸外国においても,我が国においても,いろいろ行なわれており,今日までに発表された肺気腫の診断基準は,いずれも臨床症状,胸部X線所見,および肺機能検査成績の三つの観点からなされている1)5)6)。これらのうち,肺気腫の臨床的診断に対して最も客観性に富む,有力な資料を提供するものが肺機能検査成績である。
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