Japanese
English
原著
動静脈吻合法による心拍出量等の測定について(後篇)—応用篇:フルオセン低血圧時の循環動態
Study of Cardiac Output and Hemodynamics by Artificial Arteriovenous Anastomosis. :II. Applications to Hemodynamics of Hypotension Induced by Fluothane.
藤田 達士
1
Tatsushi Fujita
1
1東京大学医学部麻酔学教室
1Dept. of Anesthesiology, Faculty of Medicine, University of Tokyo.
pp.289-305
発行日 1964年4月15日
Published Date 1964/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201313
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I.はじめに
Fluothaneが低血圧を起すことは1956年Ra—ventós1)33)及びJohnstone2)によつてそれぞれ動物実験及び臨床上でのFluothaneの紹介と同時に既に発表されており,その原因については以後無数の報告がある。低血圧はおよそFluothane濃度に平行するが3)9)11)14)19)20),必ずしも濃度とは一致しない4)5)6)7)8)10)。
一方,Fluothaneは組織の酸素消費量3)7)17)35)48)や,心筋の酸素消費量をその仕事量に比例して減じ12),抗ショック作用も想像され得るから21)27),その低血圧が生体に及ぼす影響30)は案外少いかも知れない35)。しかしまた,Nunn15)は酸素消費量の減少は睡眠時と大差ないと反対しているし,Freeman18)は脱血犬でEtherと差がない生存率を報じている。
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