Japanese
English
原著
麻酔回路中の湿度について—第4報 環境微細気象との関係
On Studies of Humidity in Anesthetic Circuit.: 4th Report.: In Relation to Environmental Micrometeorology.
青地 修
1
,
川口 力
1
,
藤田 俊夫
1
,
小長谷 九一郞
1
,
保田 淳
1
,
竹下 鎮雄
1
Osamu Aochi
1
,
Tsutomu Kawaguchi
1
,
Toshio Fujita
1
,
Kuichiro Konagaya
1
,
Jun Yasuda
1
,
Shizuo Takeshita
1
1京都府立医科大学麻酔科
1Dept. of Anesthesiology, Kyoto Furitsu University of Medicine.
pp.203-206
発行日 1964年3月15日
Published Date 1964/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201303
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
近年,病院施設の完備により手術室あるいは恢復室では例外なく空気調整が実施されるようになつて来た。この空気調整は手術室内の空気の清浄化のために極めて重要なことであり,その細菌学的研究は既に諸家によつて追求されているが,手術室内の温度あるいは湿度の変化については未だ詳細な報告を見ない。芝ら1)は手術室の空気の汚染防止のためKathabar装置を用い,容積141m3の手術室を4分に1回の割合で換気し,その湿度を60%,温度を25℃に保持して手術中の落下菌数を著しく減少させ且つ術中の患者及び術者を生理的に最良の環境に置かしめ得たと報告しているがKathabarのような優れた機械を装置せず,単に冷暖房機及び送風機を有する一般の空気調整装置だけで手術室の温度及び湿度を手術中,一定に保つことは術中の人数及び室内に出入する人数を徹底的に制限しない限り極めて困難なことである。
われわれは一般の空気調整装置だけを有する手術室における微細気象,特に温度及び湿度の変化を観測し,その変化が術中の患者の呼吸温度及び湿度に如何なる影響を及ぼすかを追求した。
Copyright © 1964, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.