Japanese
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講座
2方向Ballistocardiography
Two Dimentional Ballistocardiography.
中村 芳郎
1
,
島田 英世
1
Yoshiroh Nakamura
1
,
Hideyo Shimada
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
1Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University.
pp.89-96
発行日 1964年2月15日
Published Date 1964/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201288
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I.緒言
Ballistocardiographyの基礎的研究が,Starrら1)によつて発表されて以来,すでに25年を経過した。その間,多くの型式のBallistocardio—graphが発表され,また,実験的,臨床的研究もなされ,米国では,Brown2),Dock3),我が国では,笹本ら4)の著書も刊行されたが,頭足方向Ballistocardiogramの発生機序について,明快な考え方を示したのは,最近のNoordergraaf5)6)の論文であるように思われる。もちろん,この論文によつて,Ballistocardiographyの臨床的価値のすべてが定まつたわけでなく,現在までの多くの研究成績をふり返つて検討する際の,一つの理論的根拠が示されたと考えられる。例えば,Balli—stocardiography初期の目的であつた,心拍出量の測定が,人体のInternal networkの問題はあるとしても,経験的には正常者ではある程度の予想が可能であるかもしれないが7)8),病的状態でも可能であるとは考えられないとする説1)3)9)10)が強かつたことなども,彼の理論から簡単に理解される。
同時に,頭足方向Ballistocardiogramのみならず,多方向Ballistocardiogram,いわゆるVectorballistocardiogramに関しても,一つの示唆を与えてくれたように思われる。
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