Japanese
English
原著
Ballistocardiographyの基礎に関する研究—特に心・体振動系に就て
Studies on the Bases of Ballistocardiography.
米山 要人
1
A. Yoneyama
1
1東京大学医学部附属病院分院内科
1Internal Medicine, Branch Hospital School of Medicine, University of Tokyo.
pp.271-286
発行日 1960年4月15日
Published Date 1960/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200879
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I.緒言
最近に於ける本法の進歩が人体を自由度1の単純な質量,ばね及び減衰器よりなる振動系として扱うことによりもたらされたものであることは明らかである。複雑な人体をこの様に処理するならば一見きわめて明確な数値が得られたとしても,この数値が得られるまでにはほとんど無数といつてもよいほどの条件が仮定される。此等の条件については従来ほとんど考慮されることなしに研究がすすめられてきた様に思われる。本法を用いた研究が最近の数年間でもすでに数百に達するほどのものであるにも不拘,人体という振動系に関する研究はきわめてすくない。
本法の進歩に重要な役割を演じたvon Witte—rh1)やTalbot2)3)4)すらも実験は行つた様であるが深くはこれにふれていない。人体振動系(以下簡単のため体振動系とする)を単純な質量ばね減衰器として扱い,その固有振動数と減衰の程度を得ることは容易であるが,得られた人体の自由振動の記録を処理するにあたり,これを注意深く観察するならば様々な障害のあることが分る。
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