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講座
胎児心電図(3)
Fetal Electrocardiography (3)
小林 隆
1
,
武井 徳郎
1
,
藤井 仁
1
,
堀口 貞夫
1
,
河本 久
1
,
天野 和彦
1
,
穗垣 正暢
1
,
井上 毅
1
Takashi Kobayashi
1
,
Yoshiro Takei
1
,
Hitoshi Fujii
1
,
Sadao Horiguchi
1
,
Hisashi Kawamoto
1
,
Kazuhiko Amano
1
,
Masanobu Hogaki
1
,
Takeshi Inoue
1
1東京大学医学部産科婦人科学教室
1Obstet. & Gynec. Dept., Uuiv. of Tokyo
pp.349-356
発行日 1963年5月15日
Published Date 1963/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201207
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I.胎児心電図の臨床的応用
1.胎児の心臓活動の証明
胎児心電図の最も振巾の大きい心室波についてその存在を証明すればよい。この場合障害となる母体心電図や,呼吸陣痛などの影響,外部雑音,内部雑音に対する対策は既に述べた。しかし時に母体筋電図や増巾器の内部雑音で心電図と同様の放電間隔をもつものがあり,その判断に苦しむことがある。前田等1)のいうようにある程度severeな判定規準を設けないと,このような異常なSpi—keを胎児心電図と誤り,False positiveを得ることになる。しかし,筋電図のPulse巾は0.01〜0.002sec.とされ,心電計を用いて記録した場合胎児心電図と同様な波形を得ることがあつても,広帯域増巾器を用い,ブラウン管によつて監視した場合にはかなりよく判別出来ることが多い。又胎児心音の聴取される場合には両者の同時誘導によつて,雑音と紛らわしい信号も胎児心電図であると判定することが出来る。従つて我たは第1表のような陽性判定規準を設けている。
この規準では,心室波が雑音と紛らわしい場合正常心電図の範囲を逸脱するものは,すべて捨てることになる。胎児心音図の同時に記録される場合と,胎児心電図として疑いのない場合を除いて不整脈の診断を行うことは不可である。次に心室波の証明の実際的な応用例を挙げる。
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