Japanese
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特集 肺循環(1)内科領域
換気血流分布の不均一性
Uneven Ventilation Perfusion Relationship
山林 一
1
Hajime Yamabayashi
1
1大阪成人病センター
1Center for Adult Diseases, Osaka.
pp.25-31
発行日 1963年1月15日
Published Date 1963/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201171
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はじめに
呼吸の機能の最終的な目的はいうまでもなく静脈血の動脈血化である。この動脈血化を左右する因子としては, 1)肺全体としての換気血流関係
2)拡散
3)解剖学的な静脈混合
4)肺胞の換気血流分布の均一性
をあげる事が出来る。このうち2),3),4)を綜合した動脈血への影響は所謂"A-a"gradientと呼ばれ,肺胞内ガス交換の効率を示す指標として臨牀的に広く用いられている。
併しながら肺胞の換気血流分布の不均一性については,これが臨牀的に見られる各種呼吸器疾患のhypoxemiaの最大の原因であるに拘らず一般に余りかえり見られていない。これはこの問題が呼吸生理学上最も複雑で難しいものの一つであり,それ故に又これを量的に正確に測定する完全な方法が現在のところ発見されていないためである。
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