Japanese
English
特集 肺循環(1)内科領域
総説
肺循環の神経性調節
The Nervous Control of the Pulmonary Circulation
原沢 道美
1
,
吉田 清一
2
,
福島 保喜
2
,
村尾 裕史
2
Michiyoshi Harasawa
1
,
Seiichi Yoshida
2
,
Yasuki Hukushima
2
,
Hiroshi Murao
2
1東京大学医学部老年病学教室,冲中内科教室
2東京大学医学部冲中内科教室
1Dept. of Geriatrics, Dept. of Int. Med., Faculty of Medicine, Univ. of Tokyo
2Dept. of Int. Med., Faculty of Medicine, Univ. of Tokyo
pp.15-23
発行日 1963年1月15日
Published Date 1963/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201170
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はしがき
肺血管床の調節機構に関しては従来,右室から拍出された血液は,より圧の低い左心房へただ送られるだけで,その間血管床には何等の神経性体液性の調節機構も存在しないとする仮説1)が支配的であつた。組織学的にみても,血管のtoneに重要な意味を持つ小動脈の構造が,肺血管床では,はつきりしないこと,又血管に作用すべき薬剤がまず肺循環を通り,それから体循環系に入るように投与された場合でも,体循環系の反応が先にあらわれる等の所見は,この仮説を支持している。
しかしながら,近年の肺循環生理の発達により,臨床的にも又実験的にも,肺に血管性の調節機構の存在を思わせる成績が,多数報告せられるようになり,肺血管床の調節機構の問題は,現在肺循環に関する研究の一つの焦点となつてきている。
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