ジュニアコース
肺生理学で用いられる数式(1)
横山 哲朗
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
pp.623-626
発行日 1962年9月15日
Published Date 1962/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201131
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I.はじめに
肺生理学が,わかりにくく,近づきにくいものであるかの印象をもたれる理由には,いろいろあろうが,そのなかでもこの分野でよく使われる種種な記号や数式が親しみにくい第1の言いがかりになることが多いようである。筆者はこのことをあえて"言いがかり"と云つたが,本来記号や数式はある現象をなるべく簡略,明快に表現する手段として用いられているのであつて,決して難解にするために用いられる暗号ではないからである。お医者様の中には数字に弱いのを自称しておられる方々も多いようではあるが,少なくとも日常普通に用いられる肺生理学の数式は中学生の算数の知識があれば十分理解出来るはずのものなので,これをまた毛嫌いするのは"言いがかりだ"ときめつけられても仕方ないのではなかろうか。
肺生理学はわかりにくい,いやそんなはずはない,それは云いがかりだ,などと言いあつてもはじまらないので本稿では肺生理学で使われる記号と数式のルールをなるべくわかりやすく,入門的に解説してみたいと思う。しばらく我慢してお読みいただきたい。新たにこの道に進まれる先生方に記号や数式はなるほど便利なものだとみなおしていただくことが出来れば本稿の目的は達せられたことになる。
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