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文献抄録
肺気腫患者の細気管支と肺実質—Anderson, A.E. Jr. & Foraker, A.G.Am. J. Med.:32(2):218〜226,Feb.1962./中枢性の呼吸障害—Rodman, T.Resrick, M.E.Berkowitz, R.D.Fennelly, J.F. & Olivia, J.Am. J. Med.32(2):208~217,Feb.1962.
Relative dimensions of bronchioles and parenchymal spaces in lungs from normal subjects and emphysematous patients./Alveolar hypoventilation due to involvement of the respiratory center by obscure disease of the central nervous system.
pp.399,440
発行日 1962年6月15日
Published Date 1962/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201099
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正常および老人肺気腫各12例についてプラニメトリーで,換気をいとなまない終末細気管支をふくむ実質面積を測定比較した。その最も著しい変化は肺気腫において,そうした細気管支(nonrespiratory bronchio—les)内腔面積の縮少である。これは年令によるのではない。その内腔正常人31.78±5.50(×104μ2)であるに対し肺気腫患者5,18±0.83で,高度に有意の差がある。血管内腔は両者に有意差なく,正常人7.65×104μ2,気腫2.63×104。比で表わすと,細気管支壁面積/内腔面積は気腫3 41±0.68,正常0.60±0.11。上皮層面積/内腔面積は気腫0.65±0.15,正常0.15±0.03であつて,気腫患者では如何に細気管支内腔が狭隘で,壁が肥厚しているかを窺うことができる。これは気腫患者では,肺胞の放射状の支持が失われ,半硬性の気管支の管がつぶれるためである。細気管支上皮の機能が低減した結果ではない。細気管支の平滑筋肥大収縮,内腔への滲出は本研究では測定してないが,閉塞の一因になつていることはいうまでもない。肺胞が拡張し数が減ることは気腫の特色だが,その個々の大きさは様々で,またその壁も肥厚し線維化している。
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