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文献抄録
浮腫・腹水とスパイロラクトン—Gantt, C. L. :Ecklund, R. E. & Dyniewicz, J. M. :Am. J. Med. 33(4):490〜500, 0ct. 1962/慢性酸素欠乏と副腎皮質機能—Thomas, H. F. :J. Appl. Physiol.17:246, 1962.
Significance of aldosterone antagonist in the treatment of edema and as cites./Adrenal cortical response to chronic hypoxia
伊達
1
1慶大内科
pp.458,466
発行日 1963年6月15日
Published Date 1963/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201220
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SpirolactoneはAddison病には何らの作用なく,投与され,或いは大量に分泌されたミネラロコーチコイドにのみ拮抗する。本報は肝硬変・心不全・ネフローゼ症候群などで,つよい浮腫・腹水を有する46名にSを与えた効果をうかがつた。その6割は他の制尿剤で反応しなくなつている。そこで1日のNa摂取10mEq,K50〜90mEqとし,水分は特に制限しない食事で,特に安静は命じない。SC8109,8911,1192711844,9420などの17—spirolactonesを市販のspironolactone1日400mg相当量を与える。水銀製剤,thiazide利尿剤に不応になつた27名のうち10名がS単独で著明な利尿を発呈した。Sにchlorothiazide(1g/日)を併用すると19例(27名のうち)が利尿つき体重減少した。S,サイアザイドと同時に他の判尿剤を併用すると,全部が(5日以上連用のこと)利尿を呈してくる。典型的な症例が例示されている。難治の浮腫・腹水にamphenone 4885または副腎剔除が奏効するが,Sでは単独では発効しない例があるから,Sは副腎抑制とは全く同一の機序で作用するのではあるまい。ここにあげた46例では,不応例にカリ利尿があつたが。Sとサイアザイド併用してもカリ排泄は亢進しない。(50〜140mEq/24h)。サイアザイドによるカリ排泄増加を,Sは却つて抑制した。
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