Japanese
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ジュニアコース
ガス・サンプルの取り方
The Practice to Obtain Gas Samples
西本 幸男
1
,
佐藤 哲也
1
Yukio Nishimoto
1
,
Tetsuya Sato
1
1広島大学医学部和田内科
1Dept. of Internal Medicine, Hiroshima University, School of Medicine
pp.183-191
発行日 1962年3月15日
Published Date 1962/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201075
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I.まえがき
呼吸を行なう主な目的は大気中からO2を摂取し,身体各部の細胞にO2を必量な量,かつ充分な圧力のもとに送り込み,一方新陳代謝によるガス体の最終産物であるCO2を体外に放出することである。而して運動時・発熱時など体内の代謝が旺盛となれば,換気量を増加してO2の要求に応じ,CO2の放出もまた増加する。安静時或は一定の運動を負荷しながら換気量を測定し,又呼気の分析を行つて摂取したO2の量,排出したCO2の量を知り,更に呼吸商を求め,その状態における必要とした熱量を計算することは古くから行なわれていた。
他方最近の肺機能検査に当つては屡々呼気の分析が行なわれるに至つている。例えば呼吸死腔を求める際,Bohrの式を利用するならば動脈血のPco2と共に呼気のPco2を測定して計算する。又肺気量のうちスパイログラフィーによつて求めることの出来ない機能的残気量の測定の際,窒素洗い出し法(Nitrogen washout method)を用いるならば,洗い出されたN2量と7分後に肺胞に残つているN2濃度を求めなければならない。その他肺内ガス混合の測定,拡散能力の測定の際等にガス分析が実施されている。
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