Japanese
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方法と装置
ラジオアイソトープ体外測定記録法の考案とその肝血流量体外計測への応用(Au198コロイド法)
Devices on the external counting method of radioisotope and its application for the hepatic blood flow determination. (Au198 colloidal method)
飯尾 正宏
1
,
亀田 治男
1
Masahiro Iio
1
,
Haruo Kameda
1
1東京大学上田内科
1The Second Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo.
pp.355-363
発行日 1960年5月15日
Published Date 1960/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200889
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I.緒言
従来,臨床医学において精細な循環動態研究の目的に施行されてきた手技は,静脈カテーテル法や頻回の採血などを必要とし,操作もかなり複雑でかつ患者へ与える負担も大きいものであつた。しかるに近年放射性アイソトープ(radio-isotope,R.I.)が医学研究の分野にも広く応用されるようになり,循環動態研究の分野においてもR.I.の果している役割りは大きい。R.I.法の利点は操作を簡便化し得ることにあり,しかも測定装置のめざましい進歩によつて測定精度も高まりつつある。ことに適当なγ—emitting R.I.を使用することにより体外計測で十分の記録をとり得るならば,患者の負担は殆んどなくなり,再三の反復測定も可能となるわけで臨床的意義はことに大きい。ただ従来この目的のために使用されている装置ならびに記録法は精度の点で十分満足しうるものでなく,正確な循環動態の分析法としてR.I.体外計測法の確立を願うわれわれ臨床研究者の実用にはほど遠いものであつた。著者らはかかる目的のために簡便な方法でしかも従来の記録法の欠陥を克服すべく,本邦では未だ医学応用の段階には至つていない波高分析器(pulse height analyzer)を用いた2チャンネル診断装置を試作し,循環動態研究の多方面にその応用を試みている。
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