2色ページ 環境とからだ・5
騒音・振動とからだ
松井 信夫
1
1名古屋大学環境医学研究所
pp.882-885
発行日 1974年8月1日
Published Date 1974/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917082
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はじめに
近年の急速な科学技術の進歩に伴い,強大なエネルギーを用いる種々の機械器具が作られるようになった.それとともに騒音や振動が生体に対する有害な環境因子としてクローズアップされてきた.これらの有害因子は,従来主として労働衛生上の問題として取り上げられていた.しかし産業の機械化が進むにつれ,近年ではその影響は種々の工場の職場,土木工事現場などの従業員のみならず,その周辺の住民等比較的狭域の有害な労働および居住環境因子として次第に多様化し,かつ及ぼす範囲を広げてきた.特に最近の交通機関のスピードの上昇と輸送の増大は,騒汗や振動の影響を広域化し,新たな環境破壊因子として社会的関心の的になっている.ここではその生理的・病理的影響の概要を述べる.
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