Japanese
English
原著
脊椎後彎,側彎による胸廓変形者の心肺機能に関する研究
A study of cardiopulmonary function in patients with Chest deformity due to kyphoscoliosis
中村 隆
1
,
山上 次郎
1
,
香取 瞭
1
,
滝島 任
1
,
大友 尚
1
,
宮沢 光瑞
1
,
渡辺 達三
1
,
鈴木 敏夫
1
,
菅野 光洋
1
Takashi Nakamura
1
,
Jiro Yamagami
1
,
Ryo Katori
1
,
Tamotsu Takishima
1
,
Sho Ohtomo
1
,
Kozui Miyazawa
1
,
Tatsuzo Watanabe
1
,
Toshio Suzuki
1
,
Koyo Kanno
1
1東北大学医学部中村内科
1Medical Clinic of Nakamura, Faculty of Medicine, Tohoku University
pp.665-672
発行日 1959年7月15日
Published Date 1959/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200795
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胸廓変形者がしばしば呼吸困難,心悸亢進等の心肺性症状を訴え,心不全で死亡する事が少なからず報告されている。すなわち1806年Corvisart1)以来主として独,仏において多くの報告を見,英米においても1921年Finley2)の4例の剖検報告以来胸廓変形者の心肺症状と心障害に関する文献を見る。その代表的なものとして1899年Bach—man3)は脊椎後,側彎症197例の詳細な剖検報告で,その116例が心不全で死亡し,その44例は肺自体に何らの病変もなかつた事を述べ,又1939年Chapman et al.4)は胸廓変形者における心不全死亡126例の文献的考察に加えるに自験4例を検討し,心肺症状の重要性を強調した。しかしながら諸家の報告を通覧するに,しばしば経験する心肺性症状にも拘らず脊椎後側彎による肺性心の発生頻度は必ずしも多くなく,Scott and Garvin5)は肺性心剖検48例中に1例も見ず,Hallock and Rigler6)は38例中1例,Spain and Handler7)は60例中1例に脊椎後側彎による肺性心例を見たに過ぎない。又その発生因に関してはSpain and Handler7),Hertzog and Manz8)は剖検例検索から肺気腫性変化が肺高血圧症の重要な成因をなしていると述べているが,肺機能に関する研究は肺容量についての二,三の報告4)9)10)以外殆んどなされていない。
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