Japanese
English
原著
右心カテーテル中の調律異常,とくに不完全右脚ブロツクについて
Arrhythmia During Cardiac Catheterization with Special Reference to Incomplete Right Bundle Branch Block
稲田 潔
1
,
池田 容昻
1
,
志水 浩
1
,
岡本 孝之
1
K. Inada
1
,
Y. Ikeda
1
,
H. Shimizu
1
,
T. Okamoto
1
1岡山大学医学部砂田外科教室
1IInd Surgical Division, Okayama University Medical School.
pp.579-582
発行日 1959年6月15日
Published Date 1959/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200783
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
右心カテーテル法は心疾患の診断,手術適応の決定に必須の検査法として発展普及したが,また肺循環の病態生理の究明,ひいては肺機能検査法としても有力な手段であることが認識せられ最近は広く各方面において応用せられている。これは本法はやゝ複雑な操作,高価な装置を要するが他の方法では得られない重要な知見を得られるし,また検査に伴う合併症が少く比較的安全な検査法といゝうるからである。
右心カテーテル中種々の調律異常が起ることは日常経験するが,多くのものは一過性で極めて短時間持続するのみで検査遂行上支障となり,あるいは重篤な後遺症を貼すようなことはない。しかしこれらに関する詳細な報告は比較的少くことに本邦ではほとんどない。私達は肺癌患者について心肺機能検査の目的で1側肺動脈閉塞試験施行中,カテーテル操作による刺戟により一過性の不完全右脚ブロックを発生した2例について昨年報告した1)。その後例数をかさねるうちに同様の右脚ブロック発生例が少くないので種々の観点より層その発生について考察した。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.