心電図講座 ブロックのいろいろ・5
一過性右脚ブロック
吉村 正蔵
1
,
宮本 進
2
1慈恵医大内科
2慈恵医大高橋内科
pp.1339-1342
発行日 1968年11月10日
Published Date 1968/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202444
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今回は右脚ブロックの補足として一過性右脚ブロックについて述べます.
脚ブロックは永続的なものです.しかしなかに比較的まれですが,一過性脚ブロック(Transient bundle branch block)があります.この一過性脚ブロックは1913年Lewisが32歳のリウマチ性大動脈弁障害の患者に熱発3日後一過性右脚クブロックを認め報告したのが最初です.その後,HerrmanおよびAshman(1931)が10例,Comeau(1938(71例,最近ScherlisおよびLee(1963)8例など報告があります.本邦では北村教授らのUnstable lncomplete Right Bndle Branch Blockと題する6例(1957)の報告があります.私たちの教室でも9例(1958)の報告を行ないました.これらの研究ではじめ考えられていたほどまれでないことがわかってきました.事実,日常注意しておりますと,ときどき遭遇するブロックです.つぎに最近経験した例を中心に考えていきたいと思います.
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