Japanese
English
症例
心臓カテーテル検査中の調律異常—とくに右脚ブロックについて
Arrythmia During Cardiac Catheterization with Special Reference To Right Bundle Branch Block
稲田 潔
1
,
池田 容昻
1
,
志水 浩
1
K. Inada
1
,
Y. Ikeda
1
,
H. Shimizu
1
1岡山大学医学部津田外科教室
1Tsuda Surgical Clnic, School of Medicine. Okayama University.
pp.583-586
発行日 1958年7月15日
Published Date 1958/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200655
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心臓カテーテル法は心疾患とくに先天性心疾患の診断,手術適応の決定に必須の検査法として発展普及したが,また肺循環の病態生理の究明,ひいては肺機能検査法としても有力な手段であることが認識せられ,最近は心臓病専門家のみならず広く各方面において応用せられつつある。これは本法はやや複雑な操作,高価な装置を要するが他の方法では得られない重要な知見を得られるし,検査に伴う合併症が少なく比較的安全な検査法といいうるからであろう。主として心疾患を対象とした諸家の成績をみてもその直接死亡率は0.1%前後であり心血管造影法等に比較するとその危険性は低い。本法による死亡の原因は大部分調律異常によるもので,検査中たえず心電図を観察し合併症を未然に防止する事が重要である。心カテーテル検査中種々の調律異常が起ることは日常経験するが,多くのものは一過性で極めて短時間持続するのみで検査遂行の支障となり,あるいは重篤な後遺症を貼すようなことはない。
心カテーテル中に起る調律異常に関する詳細な報告は比較的少なく,ことに本邦ではほとんどない。最近私達は心肺機能検査の目的で肺癌患者について一側肺動脈閉塞試験を施行中発生した右脚ブロックの2例を経験したので報告する。
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