Japanese
English
特集 循環系薬剤の基礎と臨床
抗脂血剤の臨床と基礎—動脈硬化症を中心として
Clinical and Experimental Studies on Antilipemic Agents
大島 研三
1
,
本間 六雄
1
,
八杉 忠男
1
,
中原 一実
1
,
高橋 隆𠘑
1
,
成宮 準一
1
,
三谷 純
1
,
鈴木 正道
1
,
波多 野幸子
1
,
安藤 恒夫
1
,
塩島 約書亜
1
Kenzo Oshima
1
,
Rokuo Homma
1
,
Tadao Yasugi
1
,
Kazumi Nakahara
1
,
Takahiro Takahashi
1
,
Junichi Narumiya
1
,
Jun Mitani
1
,
Masamichi Suzuki
1
,
Sachiko Hatano
1
,
Tsuneo Ando
1
,
Yoshia Shiozima
1
1日本大学内科学
1Internal Medicine, Nihon University
pp.333-349
発行日 1959年4月15日
Published Date 1959/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200749
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
近時動脈硬化性疾患による死亡が人類の死因の大きな%を占めるに至り,これが対策として登場したものが各種の抗脂血剤(anti-lipemic agen—ts)である。治療薬が原因の解明に先行する近時の傾向は,独り動脈硬化の場合に限らないが,次次に登場してその功罪が論議せられる各種の抗脂血剤は正に薬剤が病理に先行する代表的な例とも云えよう。これを憂うべき傾向とするか,あるいは喜ぶべき現象と見るかは,にわかに断じがたいが,各種の抗止血剤は血清脂質代謝に多少とも影響を及ぼし,その作用機序を明らかにすることは動脈硬化における血清脂質構成の異常が何に基くか充分明らかでない今日,薬剤の作用の面から血清脂質代謝の一部が解明され,または研究が促進される面も少なくない。この様な意味で抗脂血剤の作用機序を研究し,あるいは考察を加えることは,動脈硬化に関心を有するものにとつて確かに興味あることであると共に,薬剤の功罪に対する判断にも寄与するところ尠くないであろう。以下この趣旨に沿つて,抗脂血剤の作用機序を中心に記載する。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.