Japanese
English
診療指針
動脈血酸素飽和度低下の病態と臨床
Clinical Interpretation of Low Oxygenated Arterial Blood.
三瀬 淳一
1
,
水田 亘
1
Junichi Mise
1
,
Wataru Mizuta
1
1山口医科大学内科
1Dept. of Medicine, Yamaguchi University Medical School.
pp.473-478
発行日 1958年6月15日
Published Date 1958/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200639
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動脈血酸素飽和度は肺呼吸機能の動脈血に現われた直接の結果であり,心肺の循環,呼吸機能を知る第1の門戸である。近来心肺機能検査法が極めて精細となり,同時に胸部外科技術がめざましく進歩して,病態を精しく知るに必要な検査法が専門的に分化し,今日かなり日常診療からへだたりつつあるかの如き感を与える。しかし,これら諸検査を正しく理解すれば,その重要な部分を占める動脈血の酸素含量乃至飽和度をみることが,それだけで概略ではあるが,いかに心肺疾患の病態を判定し,経過,予後の判断に資しうるかが判る筈である。これについて述べ,臨床における診療の指針に役立てうる点について述べようと思う。
本論にはいるに先立ち,まず動脈血酸素飽和度低下が,臨床で最も身近な症状として,現われるチアノーゼについて述べる。
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